行動心理カウンセラー資格とは、人の行動から気持ちを読み解く行動心理学についての知識を持っていると認定されるものです。
近年、子どもとの関わりが多い人に注目されている行動心理学は、子どもと円滑なコミュニケーションを取るのに生かせるスキル。そして、そのスキルを備えた人を「行動心理カウンセラー」と呼んでいます。
ここでは、そんな行動心理カウンセラーの資格取得を通して学習できる内容を、少し詳しくまとめています。
より詳細な内容は、資格公式サイトをご確認ください。
教育の現場でも生かせる行動心理
育児でもっとも大切なのが、親子間のコミュニケーション。
しかし、「魔の2歳児」や「ギャングエイジ」、そして「反抗期」に代表されるように、親が子どもとの距離感を測りかねる段階は、育児をしていると何度も現れます。
いざ時にあわてないように、周囲の大人はあらかじめ準備しておきたいのですが、そのためにおすすめなのが「行動心理カウンセラー資格」。
子育て中の人はもちろん、子どもの教育に関わる仕事に就いている人、就こうと思っている人にもおすすめの資格です。
行動心理という言葉は耳なじみがないかもしれませんが、「プラシーボ効果」や「ピグマリオン効果」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
これらはどれも行動心理学で説明がつく、コミュニケーションのコツともいえる現象。行動心理カウンセラー資格の学習を通して身につけられるテクニックです。
子育てや子どもの教育に応用できるテクニックもたくさんあるため、プラシーボ効果とピグマリオン効果も含めて、次章から1つずつご紹介します。
子どもの行動をコントロールするのに欠かせない
上記でふれたように、行動心理学は子どもの行動をコントロールするのに欠かせないテクニックです。
例を挙げてご紹介します。
パブロフの犬
誰もが1度くらい耳にしたことがあるのではないでしょうか。犬にメトロノームが鳴ったらオヤツをあげることを繰り返すと、そのうちメトロノームの音を聞いただけでヨダレを出すようになるという実験がもとになっています。
これを応用することによって、「ある行動を取ると、あるポジティブな出来事が起こる」と子どもに思わせられるので、行動をある程度コントロールできるようになります。
例えば、「お手伝いが終わったら、オヤツをもらえる」「宿題が終わったら、動画を観てもいい」といった具合です。
これを繰り返すうちに、無理なく子どもが嫌がりがちなルーチンワークをこなしていけるようになるでしょう。
勉強のやる気アップや積極性向上に
また、行動心理学は、子どもの勉強に対するやる気アップや積極性向上にも効果的です。
こちらも例を挙げてご紹介します。
ピグマリオン効果
掘った彫刻に恋した彫刻家、ピグマリンを見かねた女神が、彫刻に息を吹き込んだという神話がもとになったもの。
誰かからの期待を受けることで成果を上げられる、という説です。
教育の場面では、周囲の大人が期待をかけた子どもとそうでない子どもは、成績に違いが見られるという傾向にあります。成績がもともと良いなど、最初から期待をかける根拠がなくても同様だったそうです。
そのため、その時は勉強ができない子どもだったとしても、「この子はできる」「あなたならできる」と、自分自身と子どもを信じるのがおすすめです。自然と勉強のやる気や積極性が高まっていくでしょう。
プラシーボ効果
患者が本物と思い込むことによって、偽物の薬でも症状がやわらぐという現象です。
ピグマリオン効果と似ていますが、「自分自身はできる」と強く思うことで、高いパフォーマンスを発揮できることにもつながります。
また、自信のない子どもに「あなたなら絶対にできる」と鼓舞し続けることで、少しずつ自信を高めていけるでしょう。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の逆が、ゴーレム効果と呼ばれるものです。
相手に見込みがないと思っていると、期待されていないことが子どもに伝わるので、その子のパフォーマンスが落ちていくというもの。
「どうせダメなんでしょ」「やるだけムダ」といったネガティブな言葉は、口にするのはもちろん、大人がそう決めつけないよう心がけるのも重要です。
子どもの謎の言動も原因も分かるかも?
また、子どもは、あらゆるものを自分と関連づけるという、「見境のない目的論」を持っていると考えられています。
たとえば、ある道路で一度ドングリを拾ったら「この道路はドングリを拾うためにある」と思うような、極端な考え方です。
また、擬人化する傾向も大人より強いため、捨てたゴミがかわいそうだと思い、大泣きする子どももいます。
大人にとっては「謎の言動」も、子どもならではの考え方を知ることによって、冷静に対処できるのではないでしょうか。
このように、行動心理学は、子育て中の人はもちろん、子どもと関わる仕事に就いている人、就きたいと思っている人などにも有効なスキルです。
ぜひ、行動心理カウンセラーの資格取得を通して、このスキルをマスターしてくださいね。
子どもと、より綿密なコミュニケーションを取れるようになりますよ。