コーヒーソムリエとは、コーヒーのおいしい入れ方やコーヒー豆の種類などコーヒーに関連する知識を有している人を指すものです。
日常的に飲むことが多いコーヒーをよりおいしくしたい人や自らがコーヒーを振る舞う立場として、コーヒーソムリエになろうとする人は多く、コーヒーソムリエ資格も人気となっています。
今回はそんなコーヒーソムリエ資格について詳しく紹介していきます。
コーヒーソムリエ資格を生かせる仕事
コーヒーソムリエ資格は趣味での取得、仕事に生かすための純粋な資格として取得するなど、様々なニーズがあります。
コーヒーソムリエ資格を活かせる仕事としては、コーヒーチェーン店の就職や自分でカフェや喫茶店を開く他、コーヒーソムリエとして講師や批評家が挙げられます。
そんなコーヒーソムリエ資格ではどのような知識が得られるのか、仕事としてどのくらいの年収が望めるのかを見ていきましょう。
おいしいコーヒーの入れ方を習得
コーヒーソムリエ資格では、コーヒーの入れ方やコーヒーカップの選び方など、様々な観点からおいしくコーヒーを提供する知識が得られるような内容です。
コーヒーの入れ方と味の関係性
ひとくちにコーヒーの入れ方と言っても、コーヒーには様々な入れ方があります。
そして入れ方が変わると、出来上がるコーヒーの味も変わってくるのです。
比較的多くの人が知っている入れ方の一つの「ドリップ」は、紙や布などのフィルターを一度通して、コーヒーの成分を抽出する方式です。
この「ドリップ」でもフィルターの違いで大きく味が変わるのです。
紙の場合は安価で簡単に抽出できますが、一定の味を出すことが難しいとされます。
一方、布の場合は元がしっかりしている分、細かい繊維によって安定して微粒子を取り除けるので、毎回安定した味のコーヒーが出来上がるのです。
これは一例ではありますが、コーヒーソムリエ資格では、このような入れ方の違いについて、基本的な知識が得られるようになっています。
コーヒーカップの種類
コーヒーを入れるためのカップは主に以下のものがあります。
- レギュラーカップ……コーヒー店で出てくる一般的なコーヒーのカップ
- デミタスカップ……エスプレッソを飲む際に使う小さなカップ
- コーヒーマグ……一般的にはマグカップと呼ばれる筒状の大きなカップ
- タンブラー……取っ手の付いてない筒状の飲み物入れ
- カフェオレボウル……フランスの食器で、現在は朝食の際に使われる
現代ではこれに加えて、それぞれ磁器やガラスなどの様々な材質のカップが販売されています。
そして、このカップの形状や材質でもコーヒーの味は変わります。
レギュラーカップやデミタスカップは、コーヒー用のカップであることから、他のカップと比べて香りが際立つのです。
また、コーヒーの香りは他と混ざりやすいことから、プラスチック製のカップであると、プラスチックの匂いと混ざって本来の香りではなくなってしまうこともあります。
反対に木製のカップで木の香りと混ざった方が本来の香りよりも好みである人も中にはいます。
このようにコーヒーを入れる形状や材質によって香り方が変わり、それに伴って味も変化していくのです。
コーヒーソムリエ資格では、コーヒーカップに関する知識も歴史や入れ方など様々な観点から学べるようになっています。
お店の味を作り出すコツを学べる
コーヒーソムリエ資格では、普段のコーヒーをおいしくするだけではなく、豆から厳選してお店で出るようなコーヒーの味を作り出せるようになります。
産地ごとに変わる豆の味
コーヒーの種類として、「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」という単語を聞いたことがある人も多いと思います。
これらの単語はコーヒー豆の銘柄を指しており、「ブルーマウンテン」はジャマイカのブルーマウンテン山脈、「キリマンジャロ」はタンザニアの山の名前から取られています。
このコーヒー豆の銘柄は単に産地をわかりやすくするためではなく、産地が違えば味や香りが変わることからそれぞれ名前が付けられているのです。
本格的なコーヒー豆の使い方も
また、産地ごとのコーヒー豆を「ストレート」か「ブレンド」のどちらで使うかでも味が変わってきます。
ストレートは一種類をそのままの味で、ブレンドは例えば「キリマンジャロブレンド」であればキリマンジャロを中心に他のコーヒー豆を混ぜたものになります。
更にストレートもしくはブレンドした豆の焙煎度や「ドリップ」などの抽出方法によって味は枝分かれしていきます。
コーヒーソムリエ資格では、豆の種類が学べるのはもちろんのこと、その豆ごとに適した焙煎法やブレンドする際の豆の相性なども学べる内容となっています。
コーヒーソムリエ資格で稼げる金額
コーヒーソムリエ資格を活かせる仕事では、どのくらいの稼ぎが見込めるのでしょうか。
従業員の場合
コーヒーの専門店はチェーン店から地域ごとのカフェや喫茶店など現在では数多くの店があります。
コーヒーソムリエ資格を最も簡単に生かせるのは、元々ある店の従業員として就職するのが一番です。
コーヒー専門店のバリスタとして働く場合、300万円から400万円の年収が平均的に見込めるものと言えます。
この金額は正社員かアルバイトかで変わって来るものですが、コーヒーソムリエ資格には面接時に大きなアピールポイントとなるでしょう。
個人で経営する場合
せっかくコーヒーに関する様々な知識を得たのであれば、自分で豆や道具を揃えた上で店を開きたいという人もいると思います。
セカンドライフとしてカフェや喫茶店を開業する人は多く、そのために資格取得を始める人もいます。
個人で経営する場合は、300万円前後の年収が平均的に見込めるものです。
ただし、店を開く資金や維持費など自分で払うことを考えると、大きな利益にはならない可能性もあります。
反対に、自分が開いた1店舗目が繁盛したことで、次の店舗を展開できれば、年収は更に大きくなる可能性もあります。
コーヒーに関わる情報発信をする場合
コーヒーソムリエ資格を自分の知識の指標として取得し、講師として教える立場や全国のコーヒーを飲んで批評する立場になることも一つの道です。
どちらの立場でも独立して仕事を得ていく人が多いので、年収はその人の活躍に依存するところがあります。
しかし、いきなり講師や批評家から始める人は少なく、最初は従業員として働いていく場合がほとんどです。
コーヒー関連の仕事が従業員の年収に近くなれば、その道一つに絞るタイミングと見ても良いのです。
講師や批評家として成功すると、個人経営の300万円以上の収入も期待出来るでしょう。